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ちょっとずつ仕組みがわかってきた、腎臓の尿酸トランスポーターとは?

尿酸トランスポーター

血液中の尿酸は、3分の1が腸から排出され、残り3分の2が腎臓へまわされますが、すべてが体外へ排出される訳ではありません。

腎臓へ送られた尿酸は1割程度が尿と共に排出されますが、残りの9割は再び体内へと戻っていきます。

酸トランスポーターとは?

ここに大きな役割を果たす遺伝子が、近年研究者によって発見されました。

それが尿酸トランスポーター「URAT1」です。

この尿酸トランスポーターURAT1は、主に尿酸の再吸収に関わっているといわれています。

URAT1は腎臓で尿酸と繋がり、腎臓を出て血管まで尿酸をひっぱっていき、血液中に戻す運搬車のような働きをしています。

尿酸の再吸収とは、腎臓に送り込まれた血液中から尿酸だけをひっぱってきて、腎臓の細胞を通過して再び血液の中へ戻すという仕組みです。

なぜ、人間にはこのような仕組みが必要なのでしょうか。

長年、痛風の患者にとって尿酸は悪玉的な要素を持つ存在とされてきましたが、実は尿酸が人間にとって大切な役割を持っていることがわかってきました。

抗酸化作用と活性酸素

ほとんどの生き物は尿酸を排出するのですが、人間だけが血液中に尿酸をとりこんでいるのです。

それは尿酸が大切な役割、抗酸化作用というものを持っているからです。

抗酸化作用というのは、体が酸素を取り入れて細胞で代謝することで発生する「活性酸素」の働きを弱めたり、働きを阻害したりする作用のことです。

活性酸素はいろいろな物質と結びつきやすい分子のことで、体の中でさまざまな異変を起こしやすい分子として知られています。

この活性酸素を尿酸が無害化するため、人間はわざと尿酸トランスポーターを利用して、腎臓から尿酸を再吸収しているのだといえるでしょう。

しかし尿酸は多ければ多いほど体によいというものではありません。

適度に血液中に存在することが一番望ましいのであり、多すぎても少なすぎても悪影響があるのです。

まずは尿酸を作りにくい体をつくること、それから適度な排出を保ち、体の中の尿酸を一定値に保つことが健康にとって一番大切なことだといえるでしょう。

次回は、「腸でも発見された!尿酸トランスポーターABCG2とは?」についてふれていきたいと思います。