日本における痛風の歴史

白黒テレビ

痛風は字が表すように、何といっても痛いのが特徴です。

その痛さは風が吹いても痛いと言われ、痛風発作を発祥しやすい足は、痛みのあまり足をつくのも困難になるため、歩くこともままならないほどです。

いかに、痛いか想像がつくでしょうか。

因みに、痛風という病名の由来は、前述の「風が吹いても痛い」からという説と、「風が吹くように痛みが広がり、風の強弱があるように痛みの強さも変化する」からという説があります。

西洋の歴史は古いが日本では明治以降の病

宮殿

西洋における痛風の歴史は、紀元前まで遡ります。

多くの歴史上の人物が、痛風を患っていたという記録が残っています。

東洋における痛風の歴史は、元のフビライ・ハンが患っていたと推測されることが知られています。

しかし、西洋ほど歴史上の人物が痛風を患ったというような記録が残っていません。

わが国における痛風の歴史は、それからずーっと後の明治時代に始まります。

このような痛風の歴史を見ると、海外からもたらされた感染症のような印象を持つかもしれませんが、痛風は感染症ではなく、生活習慣病の一つです。

つまり、日本人の生活が、欧米化したことにより広がったと考えるほうが妥当です。

安土桃山時代(1570年~1600年ごろ)に、ポルトガル人宣教師のルイス・フロイスは「日本には痛風がない」と記しています。

ルイス・フロイスはイエズス会の会員として来日し、織田信長や豊臣秀吉との会見の記録も残っている人物です。

文書

また、明治時代にはドイツ人の医師ベルツ(1849年~1913年)も日本には痛風がない旨の記録を残しています。

そのとき既に、彼は痛風の肉食や飲酒との関連を指摘していたそうです。

日本で、痛風の初めての報告があったのは明治31年(1898年)のことです。

東大の博士による痛風の症例の記録が残っています。

痛風は日本初の症例が報告されても、しばらくは患者数も増えることなく、ほとんど日本では認知されていない病でした。

その様な痛風が、一気に広まったのは1960年代

高度経済成長に伴って、食生活の欧米化がもたらしたといわれています。

肉料理

この頃、今まで植物性たんぱく質の摂取がほとんどだった日本で、動物性たんぱく質の摂取が増え、飲酒も増加しました。

以降、日本における痛風は、欧米と変わらぬ頻度で見られる病となったのです。

このように、かつて、「ぜいたく病」や「帝王病」といわれた痛風は、日本でよくある病の一つとなりました。

医学の発展で、痛風の症状を抑えることができるようになってきたため、痛風の治療をしながら、社会生活を送っている人も多くなっています。

よく目にする芸能人でも、痛風を患いながら活動している人もいます。

痛風を持病としながらも社会生活を送るには、食生活の改善を含む生活習慣の見直しや、通院・治療をしっかりすることがポイントとなってきます。