食事療法を進めながらする外食のコツ
痛風を患い、食事療法を始めると、今までの食生活といくつか違いが出てくることでしょう。
食事療法を始めると、おのずと外食の機会が減ることが多いようです。
外食はカロリーが高めで、栄養バランスも偏りがちになります。
しかし、たまには家族と外食を楽しみたい、仕事の間の昼食は外食にならざるを得ないなど、食事療法においては外食を全く無視することはできません。
痛風の治療を続けながら、うまく外食とつき合うにはどのような、注意が必要なのでしょうか。
外食の傾向との注意点
外食におけるメインメニューは、油を使用した料理であることが多くなりがちです。
油を使用した料理はカロリーが高くなりやすく、継続的に摂取することで、肥満のもととなります。
肥満は体内の尿酸値を上げやすくなるだけでなく、他の合併症(高血圧・脂質異常・糖尿病など)も発症しやすくなります。
肥満と高血圧・脂質異常・糖尿病のいずれかを患うと、命の危険が高まるとされ、メタボリックシンドロームと認定されてしまいます。
外食のメニューの中には、一度の食事で1000kcalを超えてしまうものも見受けられます。
どちらかといえば、洋食や中華はカロリーが高くなる傾向にあります。
カレーライスやピラフ、パスタのカルボナーラといった洋食、焼きそばやチャーハンといった中華系の食事は1食でカロリーが600kcalを超えてしまいます。
また、コンビニのおにぎりやパンは高カロリーでありませんが、一般的に複数買う傾向があり、何個も食べるとカロリーオーバーとなってしまいます。

最近はメニューやパッケージにカロリーが記載されていることもありますので、注意してみるとよいでしょう。
そして、塩分の多い食事も痛風患者には不向きです。
塩分に含まれるナトリウムは高濃度で、腎臓の働きを低下させてしまいます。
結果、腎臓における尿酸排泄がうまくいかず、尿酸値の上昇を招いてしまいます。
外食には塩辛いものもありますので、注意したいところです。
また、お刺身のしょうゆやてんぷらの天つゆ、麺類のつけ汁は塩分が高くなっていますので、つけるのはできるだけ少量にすることがお勧めです。
また、塩分の取りすぎは高血圧を引き起こしやすく、痛風患者はもともと、合併症として高血圧を発症する可能性を持っていますので、より、注意が必要です。
サイドメニューを利用して、バランスよく
手軽な食事を求めたり、カロリーを気にして単品にこだわったりすると、栄養バランスは悪くなりがちです。
一般的に単品の外食メニューは、野菜類や海藻類が不足しがちにできています。
高カロリーな点は、次の食事で普段より低カロリーな食事にすることで、カバーできます。
しかし、野菜類や海藻類不足の点まで、次の食事で挽回するようにすると、野菜類や海藻類を特別多くし、低カロリーな食事、とハイレベルな内容が求められることになります。
よって、定食にしたり、サイドメニューを注文したりして、栄養バランスを保つよう心がけると良いでしょう。
痛風を患ったからといって、外食を禁止する必要はありません。
しかし、外食の割合を高くすることは高カロリーになりやすく、塩分が多くなるおそれもあり、栄養バランスも偏りがちになるので、控えめにしたいところです。

楽しい外食は箸も進みやすくなりますので、食べすぎには要注意です。