腸でも発見された!尿酸トランスポーターABCG2とは?

内蔵

今まで尿酸の排出にあたっては、腎臓の役割が一番大きいとされていましたが、実は腸からの排出に尿酸値が大きく左右されることが最近の研究でわかってきました。

腸から尿酸を排出するときに重要な役割を担っているのが、尿酸トランスポーターABCG2です。

この尿酸トランスポーターABCG2は腸だけでなく、腎臓にもあり、尿酸を排出するときに大きな役割をもっているようです。

痛風患者のおよそ8割が、この尿酸トランスポーターABCG2の機能低下を起こしているということがわかっています。

高尿酸血症を起こす方の体質

高尿酸血症を起こす方は、多くわけて2種類の状態を起こしやすいことがわかっています。

  • 尿酸を多く作りやすい体質
  • 尿酸を排出しにくい体質
このような方々です。

ABCG2は、このどちらにも多く関わっている遺伝子として、今まで発見されてきた尿酸トランスポーターとは異なる性質を持っているようです。

尿酸トランスポーターで有名なのは、腎臓から尿酸を再吸収する役目のある尿酸トランスポーターURAT1です。
 
腎臓ではおよそ9割の尿酸が再吸収され、血液の中に戻されているのですがこの仕組みにURAT1は大きな関わりをもっています。

一方ABCG2はといえば、尿酸を作る量を制限し、腎臓から尿酸を排出する量を減らすこと。

また腸から尿酸を排出するのを促す作用があると言われています。

つまりABCG2の機能が低下した人では、尿酸の作る量が2~3倍に増え、腎臓から尿酸を排出する量は増えるものの、腸から排出する量が減ってしまうという作用があるようです。

<尿酸は腸から排出することが大切

痛風患者のおよそ8割でABCG2の機能低下がみられたということは、上記のような働き

尿酸を作る量が多く、腸から尿酸が排出されにくい

これが高尿酸血症の原因として大きく働いていると思われるのです。

これは腎臓から尿酸を排出する量が増えても、腸から排出する量が減るために高尿酸血症があらわれるということで、腎臓よりも腸から排出する量が重要になってくるということです。

人間の体にある尿酸は、3分の1が腸から排出され、3分の2が腎臓にまわされますが腎臓ではおよそ9割の尿酸が再び血管に再吸収されてしまいます。

つまり、全体量の3分の1とはいえ腸からきちんと尿酸を排出することが、尿酸の全体量を調節するのに大事な役割を持っているのだといえるのではないでしょうか。

このように尿酸トランスポーターの働きが、痛風になる原因として知られてくるようになりましたが、もうひとつ興味深いことがわかってきました。

それは

女性ホルモン「エストロゲン」が痛風の原因を低下させる働きがあるのではないか?

ということです。

痛風になりやすいのは主に男性で、女性にはあまり症状があらわれにくいためです。

次回は「興味ぶかい女性ホルモン・エストロゲンと痛風の関係とは?」にふれていきたいと思います。