痛風がもたらす腎臓障害

検査結果

痛風は悪化すると様々な腎機能障害をもたらします。

これを理解するには、まず、痛風という病の仕組みを知る必要があります。

痛風と高尿酸血症

痛風はある日、突然の痛み(痛風発作)を伴って、現れるように感じます。

しかし、痛風発作を発症するまでには、高尿酸血症を気付かないうちに抱えているのです。(無症候性高尿酸血症期)

この期間は数年程度。痛風は高尿酸血症が悪化した形と捉えることができます。

よって、痛風は高尿酸血症の問題をも併せ持つ病ということがいえるでしょう。

痛風・高尿酸血症は血液中の尿酸値が異常になる病です。

血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えると異常と判断されます。

痛風・高尿酸血症を発症するのは、圧倒的に男性が多くなっています。

これを裏付けるかのように、男女の尿酸値の平均には1mg/dlを超える開きが見られます。

厚生労働省発表のデータによると、男性の尿酸値の平均は5.7mg/dl、女性の尿酸値の平均は4.3mg/dlです。

尿酸は体内で、プリン体と呼ばれる物質が肝臓で分解されることによって、生成されます。

プリン体は人体内に細胞の核酸として、体内の新陳代謝におけるエネルギー源であるATP(アデノシン3リン酸)として、もともと存在する物質です。

また、プリン体は飲食で体内に取り込まれることも分かっています。

人体内における新陳代謝の結果、生成されたプリン体は血液によって肝臓まで運ばれます。

尿酸は細胞の人間の体内新陳代謝の最終代謝産物で、これ以上体内で分解することができません。

肝臓で生成された尿酸は、腎臓の糸球体の毛細血管よりボーマン嚢へろ過され、ほとんどが尿細管で再吸収され、残りは尿に溶けて80%が排泄されます。

これにより、健康な人は血液中の尿酸値が一定に保たれているのです。

痛風はこの仕組みが異常をきたし、起こる病です。

このように体内の尿酸排泄に、腎臓は深く関わっています。

尿酸値が高まる二つの原因

血液中の尿酸値が高まる理由として、2つの原因が知られています。

  • 肝臓で異常に尿酸が作られる尿酸産生過剰
  • 腎臓での尿酸排泄能力の低下
この2つです。

日本における高尿酸血症の患者の6割が、尿酸排泄能力の低下だといわれています。

血液中の尿酸濃度が高まると、それをろ過し、再吸収する腎臓に負担がかかります。

よって、腎臓は痛風・高尿酸血症による尿酸値の高まりで、攻撃を受けやすい臓器の一つといえるでしょう。

血液中の尿酸量増加で、腎臓に負担がかかり続けると、腎機能の低下を招くことがあります。

また、腎機能低下の一つで、尿酸の排泄能力が低下し、さらに血液中の尿酸濃度が高まることが考えられます。

また、血液中の尿酸濃度が高いと、結晶となって、体内の様々な部分にたまってしまいます。

痛風発作は関節に尿酸の結晶(尿酸塩)がたまることにより発症するといわれています。

そして、尿酸塩が腎臓にたまると、腎障害を発生してしまいます。

このように痛風により、体内の尿酸過剰の状態にあることで、腎障害を引き起こしやすくなってしまうのです。