「痛風」よりもはるかに恐い、「高尿酸血症」が引き起こす様々な合併症

「高尿酸血症」とは、血液中の「尿酸」の割合が基準値よりも高い状態のことをいいます。

ただ自覚症状はないので、診断を受けても生活習慣を変えない人が多くいます。

しかし「高尿酸血症」を放置すると、「痛風」だけでなく、さまざまな合併症を起こすことがわかっています。

合併症その1.「尿路結石」

1つ目は「尿路結石」です。

尿路とは、腎臓で作られた尿が排泄される通り道のことで、「腎臓・尿管・膀胱・尿道」に分かれていますが、そのいづれかに出来る結石のことを言います。

結石とは結晶と言い換えてもよいのですが、「尿酸値」が高いままだと、尿が酸性化し、溶けきれなくなった「尿酸」や「シュウ酸カルシウム」などが結晶化してしまうのです。

症状としては背中から脇腹にかけての激しい痛みや、排尿時の痛み、尿の回数の増加や血尿などです。

結石が出来る場所により症状は異なりますが、「痛風」と同様悶絶するような激しい痛みがあります。

治療法としては、食事療法の他、結石が大きければ外科的手術を行う場合などもあります。「痛風」患者の場合、健康な人に比べて発症率は500~1000倍にもなります。

合併症その2.「腎障害」

「尿酸」を排泄する役割を担っている腎臓。

この臓器は血液をろ過して老廃物や余分な水分を、尿として排泄したり、体内の水分バランスを整えたりする働きをしています。

「尿酸」が増えすぎると、腎臓内に「尿酸」が沈着し、炎症を起こします。

これを「痛風腎」と言います。

そのままの状態を放置すると、やがて全体の60%しか腎臓が機能しなくなる「慢性腎臓病(CKD)」になります。

腎臓の働きが低下するので、「尿酸」の排泄量はますます低下し、さらに「尿酸値」が上がり、最後には全体の30%しか機能しなくなる「腎不全」を起こします。

こうなると自力で血液をろ過できなくなり、人工透析が必要になります。

また腎機能が衰えることで、動脈硬化が進み、心筋梗塞などの心疾患、脳疾患を起こす確率も高くなります。

合併症その3.「メタボリックシンドローム」

メタボリックシンドローム」とは、内臓脂肪が増えることにより、増えすぎた内臓脂肪から分泌される物質によって、脂質や糖質、「尿酸」の代謝に異常が起こることです。

血中脂肪やコレステロールの増加は「脂質異常症(高脂血症)」と言い、「高尿酸血症」の半数以上の人にこの傾向があります。

また糖質の上昇は糖尿病を引き起こします。

最も恐ろしいのは、この代謝異常が動脈硬化を促進させることです。

これにより、心筋梗塞や狭心症、脳こうそく、脳卒中など命にかかわる病気を起こしやすくなります。

「高尿酸血症」と「メタボリックシンドローム」は、卵とニワトリのような関係で、「尿酸値」が高い人にはもともと太りやすい食生活を送っている人が多く、メタボの症状が悪化しやすい傾向があり、メタボになったことで代謝異常が起こり、「尿酸値」が高くなってしまうという悪循環を起こしている人も多いのです。

まとめ

薬

「痛風」の予備軍である「高尿酸血症」には自覚症状がないため、そのまま放置されがちですが、放っておくと「痛風」だけでなく、命にかかわる合併症を引き起こす可能性があります。